モールディング物語

モールディングに使われる木材
 モールディングに使われる木は、建築の内装材や家具に使われる木と同種の物が多いようです。木は大きく分けて針葉樹(Softwood)と広葉樹(Hardwood)に分かれますが、葉の形状から付けたこの分け方は、木の基本的な違いと良く合っているようです。針葉樹は裸子植物のグループで、いまから13500万年、恐竜の時代に栄え、広葉樹は被子植物で、5000万年くらい遅れて栄えた、進化した植物だそうです(見てきたわけではありません)。針葉樹はより原始的であるため、仮導管(根から水を吸上げたり、葉や幹の重みを支えている)と柔組織しかなく、仮導管が90-95%を占めていますが、広葉樹は繊維、導管、柔組織がはるかに複雑に樹種ごとに分かれています。針葉樹はわずかに540種ですが、広葉樹はざっと20万種類くらいあるのだそうです。松、杉、ヒノキなどの針葉樹はまっすぐ高く伸びることで建築材として喜ばれますが、広葉樹は色々な性質をもっています。ここでは、ラーソンのモールディングに使われている木材をご紹介します。

ノルデックパイン
 スウェーデンとフィンランドの中部で砂土層にゆっくり生育し、80〜120年かけて径1m程度に成長する。まっすぐに天高く伸び、古代スプルースの木と共に、バイキングが舟のマストに使用した。モールディングとしては「三方節なし」という等級で、室内の内装パネルに使われるグレードと同じものが使用されるため、事実上、木材の1-2%しか使用されず供給も限られ、価格も高い。このため品質は高く、ラーソンの工場の経験値では、アユースに比べてロスは半分以下に抑えられる。アユース等に比較し「三割高でもパインを買え」と言うのは、この木のモールデイングである。
アユース
 西アフリカの乾燥した地帯に生育するアオギリ科の樹木で、高さ約40m、直径1.2m程度の大高木。ヨーロッパ、特にイタリア、スペインなどで製造されるモールディングに最も多く使われている。散孔材で軽く、白っぽい表情で軽加工に適している。切断の際、粉塵でアレルギーを引き起こすことがあるので注意。
チーク
 クマツヅラ科。落葉高木でタイ、ミャンマー、インド、インドネシアに分布する。木理はやや粗。直径2m程度。環孔材的散孔材。辺材は独特の芳香がある。硬い割には加工が容易で、サンダーもかけ易い。弾力があり曲げに強く、充分乾燥したものは 狂いが少なく、虫にも強い。木目はローズウッドのような華やかさは無いが、飽きのこない主張がある。第一級の家具材で、建築装飾材、造作材、甲板その他の船舶、彫刻など多用途に使われる。輸入される物の多くは、スライドベニヤとして天然木化粧合板などに使われる。
ポプラ
 ヤナギ科。北米に分布する。セイヨウハコヤナギとも呼ばれる。木理は精で直径1.8m程度、散孔材。耐久性・保存性はドロノキに準じる。原産地は不明で、全世界で栽培されている。
ナラ
 ブナ科。落葉高木。コナラやミズナラの総称。いずれも秋にドングリを付ける。英語でオークといえばカシと訳されることが多いが、欧米には常緑オーク類と落葉オーク類があり、オークはむしろコナラ、ミズナラ、カシワのような落葉オーク類をさすことが多い。ナラ材は堅く、建築材や薪炭用にも使われるが、木目が美しく家具材として喜ばれ、とくにミズナラは木工家具材料として多用されている。
ホワイトアッシュ
 モクセイ科。北米に分布する。アメリカトネリコとも呼ばれ、木理はやや粗い。環孔剤。育った場所により材の性質に差が出て、キリのように柔らかい材もある。イチローがちょっと面食らったのは、アメリカの野球のバットがほとんどこの材のため。
アフリカン・ウォールナット
 西アフリカのシェラレオネ山脈からガボンまでの広い地域に分布する。高さ約40m、直径1.5m程度にもなる大高木で環孔材。通常、木理が交錯していて、柾目の木取りではリボン杢がでる。硬さ強さはアメリカのブラック・ウオールナットと似ていて、その代用として使用される。
ラミン
 ジンチョーゲ科。産地はザハ、サラワク、フィリピン、インドネシア。木理はやや精。板目面、柾目面に導管の条が赤色に認められる。内装材、装飾材、梱包材、構造材など用途は幅広い。1978年にインドネシアで丸太の輸出が禁止になり、最近は径30cm位の丸太しか入荷せず、大半は製材品。
バードメープル
 カエデ科。北米・ヨーロッパに分布する。直径1m程度、年輪のはっきりしない散孔材で、木理はまっすぐだが、曲がった波型、または鳥眼杢が表れることがある。材質は硬く、粘りがあり、衝撃に強い。乾燥時の収縮が大きく、塗装性、着色性が良く、表面仕上げも良好。家具、壁用パネル、内装材などに使われる。
アガチス
 ナンヨウスギ科。南洋杉とも言われるように、南洋材では数少ない針葉樹。東南アジア、ニューギニア、太平洋諸島に分布する。木理は精で、直径1.5m程度。やや軟らかく光沢がある。カビが生え易いので手早く乾燥することが大切。耐久性は低い。建築材、造作材の他に鉛筆材としても使われる。アジアで製造されるモールディングに多用されている。
※このページは、ラーソン・ジュール・ニッポン株式会社の「L・J TIMES」の記事を転載しています。